転売は今最も注目されている副業のうちの一つです。例えばフリマアプリのメルカリは、今や10人に1人がダウンロードしているという大人気アプリであり、自宅の不用品を販売したり、ハンドメイドアイテムを販売したりと、多くの人が様々な目的で利用しています。
ところで、こうしたいわゆる転売で得た利益に関して、「確定申告の必要があるのか?」「副業をしていると会社に疑われるのではないか?」などと不安に感じたことがある人も少なくないのではないでしょうか。
今回は、転売で確定申告が必要な場合や、副業の転売が会社にバレないようにするための方法について詳しく解説したいと思います。
本記事で分かること
- 転売の副業で確定申告が必要な場合・注意点
- 副業の転売が会社にバレてしまう最も大きな理由
- 副業転売が会社にバレないようにするための対策
会社員で副業的に転売を行っている人、また副業としての転売を検討している人は是非本記事を参考にしてみてください。
目次
転売の副業で確定申告が必要なのはどんな場合?
転売の副業で確定申告が必要なのはどのような場合なのでしょうか?
転売の副業で年間20万円以上の所得を得た場合は確定申告が必要
フリマアプリなどを活用して転売を行う場合、それにより年間20万円以上の所得を得た場合には確定申告をする必要があります。ここで注意したいのはこの場合の20万円は「所得」であり「売上」ではないということです。
転売には販売サイトの利用料や商品送付のための送料、オンライン販売するために使う通信費の一部などの経費が発生します。これらの経費を売上から差し引いた金額が所得に該当します。
20万円以下でも住民税の申告は必要
ここで注意が必要なのは、転売による所得が年間で20万円を下回る場合であっても、住民税の申告はしなければならないということです。
- 所得税(国税):20万円以下は生計を立てるための所得金額とは判別されないため確定申告不要
- 住民税(地方税):金額の大小に関係なく支払う義務があるため申告が必要
※所得税の申告をした人はその情報が役所に回るため、住民税のみの申告は不要
生活用動産の場合は50万円まで申告不要
年間所得20万円以上の場合には確定申告が必要ですが、これはあくまでも営利目的の副業として転売を行っている場合です。自宅にある不用品など、身の回りのものを売り払う場合は事業所得ではなく譲渡所得という所得区分になり、50万円までの控除が認められています。
しかし、いくら自宅にある不用品とはいえ、骨董品や美術品、宝石などは課税対象とされており、確定申告をしなければならないルールとなっています。
転売の副業がバレる理由とそのための対策
年間20万円以下は確定申告が不要ですが、副業的に転売を行う場合には売上もそれ以上に大きく伸びることが多く、確定申告は必要になってくるでしょう。そうなると心配なのは、本業である会社に副業で稼いでいることがバレないかどうかということ。特に、副業が禁止されている会社であれば注意したいポイントです。転売の副業がバレてしまう理由と、バレないための対策について見ていきましょう。
転売の副業が会社にバレる理由は住民税の金額が最も多い
転売の副業が会社にバレてしまう最も多い理由が、住民税の金額の増減です。住民税は、多くの企業が給与から天引きする特別徴収という形で代わりに納めています。副業で儲けると所得額が増えるため、それに伴い住民税の金額も増えることになります。住民税については本業分も副業分も合算されて企業から特別徴収されてしまうため、その金額の増減でバレてしまう可能性があります。
住民税から転売副業がバレないようにするための対策
住民税の金額の増減により会社に副業がバレることを防ぐために、確定申告時に副業分のみの住民税の納付書が自宅に届くように手続きする方法があります。確定申告時の住民税の項目の「自分で納付(普通徴収)」に丸を付けることで、副業分のみを別で支払うことが可能です。
しかし、多くの自治体で住民税の徴収漏れを防ぐために企業からの特別徴収を推進するようになっています。自分で納付することを希望したとしても、対応してもらえない自治体もあるため、この方法は完璧とは言えません。一度お住まいの自治体の窓口で、住民税の支払い方法について確認されることをお勧めします。
まとめ・転売副業も儲かりすぎると会社にバレる危険性あり!
転売の副業で確定申告が必要な場合や、副業が会社にバレてしまうパターンとその対策について解説しました。簡単にポイントをまとめておきます。
転売の副業での確定申告と会社に副業がバレないようにする方法・まとめ!
- 転売の副業は、年間所得20万円以下(売上から経費を差し引いた金額)なら、確定申告の必要はない
- 副業による所得が年間20万円以下であっても、市区町村への住民税の申告は必要
- 自宅の不用品販売など、生活用動産の販売であれば、50万円までの控除が認められているため確定申告の必要はない
- 転売副業は、総所得の増加に伴う住民税金額の増加によって会社にバレることが最も多い
- 確定申告時に副業分の住民税の支払いを普通徴収で希望することにより会社にバレないように住民税を納めることができるが、自治体によってはその希望が通らず全て特別徴収されてしまう場合もある
転売などの副業で一定以上儲けてしまうと、会社にバレるリスクがあります。そして、会社にバレるリスクを100%回避する方法は、残念ながら今のところありません。また、納税に関するルールは毎年変わっていくため、副業のルールについては都度情報を確認されることをお勧めします。